忘年会シーズンの都内。 職場の忘年会に顔を出した私は、アルコールが一滴も飲めないものの、その場の空気を壊さないためにも、忘年会の二次会まで顔を出していました。 しかし二次会途中で、急に体調が悪くなってきて、胃の痛みと吐き気を覚えます。
体調が優れないと上司に伝えて、一人でお店の外へ。 みんなの前で体調を崩さないようにと意識していた緊張が解けたからか、お店を出た瞬間に強い吐き気を覚えて少しだけ道端に戻してしまいました。 電車で帰るのは無理だと判断し、タクシー乗り場へ。 幸い複数台のタクシーが止まっていて、タクシーの運転手同士が会話をしていたりもしました。
私はそのままタクシー乗り場の最前列のタクシーへ移動。 しかし待っていたのは、冷たいタクシー運転手の言葉でした。
「あんた、酔っ払いかい!?」 「吐きそうなのか!」 「だめだよ酔っ払いなんか乗せられないよ!」
扉を閉める間もなく、表情が暗かった私を拒否する運転手。 あまりの体調の悪さに小声にはなってしまったものの、「違います」「体調が悪くて」と伝えたのですが、取り入ってもらえませんでした。
「やばいな・・・」
そう思っていたときでした。 運転手側から、窓を叩く音が聞こえたのです。
「ドンドン」
扉が開いたままうずくまっていた私の耳に、一人の男性の声が届きました。
「この人、酔っ払ってないじゃないか!」 「体調悪いんじゃないか」 「乗せないなら乗せるから早く降ろせよ」
こんな感じの声が聞こえてきて、声のする方を見ると、これまた別のタクシーの運転手が、窓を開けた私が乗ろうとしていたタクシーの運転手と話していました。
「違うよ、酔っ払いだよ!」
乗車拒否した運転手は応戦。 しかしすかさず私が小声で、「飲んでません」と伝えると伝えると、外にいた別のタクシーの運転手が、
「ほら言ってるじゃないか!」 「しっかりしろよ、サービス業だぞ!」 「病院に連れていった方がいいぞ!」
といい、乗車拒否の姿勢を見せていた運転手を諭し、私を病院にまで連れていく様指示してくれたのでした。
結局、そのままそのタクシーに乗車し、病院にまで向かいました。 急性胃腸炎だったらしく、しばらく安静にして無事完治。
領収書を頼りにタクシー会社にお礼を言おうとしたものの、私を助けてくれたタクシーの運転手は別の会社のタクシーだったらしく、結局お礼を述べることができていません。
この場を借りて、お礼をさせてください。 私を助けてくださり、本当にありがとうございます。
正直、東京でのタクシーは、嫌な思いをすることが多いです。 その中でも、初めてあんなに乗客のことを思ってくれているタクシーの運転手に出会いました。 またいつか、偶然でもいいから、あの方のタクシーを利用したいです。
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