プロ野球界のスーパースター、イチロー。
2004年ぶりにシーズン最多安打記録を更新する快挙をなしとげ、43歳になった今なお、メジャーリーグで現役選手として活躍し続けるもはや生きる伝説ともいえる存在です。
スポーツ界のみならず、あらゆる業界でも彼をリスペクトしている人が多いのも有名です。
そんなイチロー選手が子どもたちに向けた名言が「深くて感動する」と話題になっています。
それは016年末、イチロー自らが大会長を務める「イチロー杯争奪学童軟式野球」における一幕。
大会の閉幕式で、集まった野球少年たち、そしてゲストとして登場した同大会出身のDeNAの関根大気外野手(21歳)を前に、イチローは恒例のスピーチを行いました。イチロー選手は、そこでこのように語りました。
~以下、大会でのイチロー選手のスピーチ一部抜粋~
ここにいる3チームのみんな、本当におめでとう。199チームの中から、3チームに残ったこと、勝ち上がったこと、本当に凄いと思います。僕は(ナ・リーグ東地区)5チームの中で今年も3位でした。
今年の僕がみんなにかけてあげられる言葉を少し探してみました。
今年メジャーリーグで3000というヒットを達成することができました。こういうことがあると、たくさんの人から褒めてもらえます。
そして、イチローは人の2倍も3倍も頑張っていると言う人が結構います。でも、そんなことは全くありません。
人の2倍とか3倍頑張ることってできないよね。みんなも頑張っているからわかると思うんだけど。頑張るとしたら自分の限界……自分の限界って自分で分かるよね。
その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいな、というふうに思います。
みんなが今、僕を目の前にして……日本のプロ野球で何年かやってアメリカに行って16年終わったんだけども、そういう目に見える結果を残したからそんなふうに言えるんじゃないかって思っているかもしれないけど、それは全く違っていて、僕もみんなと同じように野球少年だったし、ここに今日来てくれた関根選手もみんなと同じ。
しかも彼は毎年、1回戦負けの選手でした。
ね? みんなの方が成績がいいんだよ。現段階では。
関根選手もきっと人との比較ではなくて、自分の中でちょっとだけ頑張った。そのことを続けていくと、将来、思ってもいなかった自分になっている。と僕は思うし、実際、僕だってメジャーリーガーになれると思っていなかったし、アメリカで3000本打てるなんてことは全く想像が当時できなかったんだけど、今言ったように、自分の中でちょっとだけ頑張ってきた。
それを重ねてきたことで、今現在(の自分)になれたと実感しています。
イチローが野球少年たちに伝えたかったこと。それは、
自分の価値は、他人と比較することでは決められない自分の限界だと思ったところで、もう少しだけ頑張ってみる、そしてそれを積み重ねていくことが大切
ということ。
この言葉は、大人になった我々にも響いてきます。
現実の社会で揉まれて生きていると、つい他人と比べて自分の価値を決めるクセがついてしまうもの。
だけどそれは時に人の心を摩耗させる行為でもあります。
他人の「評価」を気にしたり、競おうとするのではなく、自分がコントロールできることに目を向け、集中すること。それにより得られた結果が大切だと、イチローは我々に教えようとしてくれています。
メジャー150年近い歴史の中で30人しかたどり着けなかった3000安打を達成したイチロー選手の言葉だから発せられる言葉。
この境地に達するまでにどれほどの苦難、葛藤があったのでしょう。
それは我々には想像もつかない厳しい道のりだったはず。
そうした彼の言葉だからこそ、深く胸に迫ってくるものがあります。
間もなくスプリングトレーニングがはじまります。
今年はどんな活躍で我々を魅了してくれるのでしょう、とても楽しみですね。
今回のイチロー選手のメッセージ、みなさんは何を感じましたか?
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